目次
- コンプライアンスとは
- コンプライアンスの中身とは
- コンプライアンスの欠如がもたらすもの
- コンプライアンス研修とは
- コンプライアンス研修の目的
- 「うっかり」を防ぐ
- どのようにコンプライアンス研修を行えばよいのか
- コンプライアンス研修の対象となる項目の一例
- 社内でコンプライアンスを高めるための要点
- コンプライアンス研修の対象者
コンプライアンスとは
コンプライアンスとは「法令順守」のことを指します。しかし実際には色々な使われ方をしている面もあります。「社内ルール」や「企業倫理」のことを含めてコンプライアンスと呼ぶことも多いようです。法的な規制はもちろん、社会人として守るべきルールや就業規則などのルールを再確認する意味があります。仕事上で何かを判断するときの「基準」や仕事を進めていくうえでの「行動規範」ともなります。
個人の発信力が高くなっている昨今は、特にコンプライアンスの重要性は増しています。帝国データバンクの調査によると、コンプライアンス違反企業の倒産は2023年に初の300件超えとなっています。
コンプライアンスの中身とは
コンプライアンス違反として具体的に問題となるのは「各種のハラスメント」「情報漏洩」「不適切な販売方法」「会社の信用失墜行為」などがあげられます。
また、コンプライアンス違反の状態を放置することで、「これくらい大丈夫だろう」と社内のモラルが低下する原因にもなります。
コンプライアンスの欠如は、直接的に企業へのダメージが発生するというリスクのほか、健全な社員のやる気を削ぎ、表立って見える部分だけ取り繕うような姿勢につながるなど、企業としての成長にマイナスな要素があることも無視できません。
コンプライアンスの欠如がもたらすもの
SNSでの不適切な発言や接客時の不適切な対応などがインターネットで拡散することで、企業にとって回復不能なダメージを負うことがあります。ほかにも、顧客情報の流出や過労死が新聞沙汰になれば企業としての信頼が崩れます。経営層にとっての不祥事としては粉飾決算や不正受給などがあげられます。とくに経営層のコンプライアンス違反は、直接的な倒産に結びつく可能性があり、とくに危険度が高いといえます。
コンプライアンス研修とは
様々なものがありますが、テーマ別では「法律」「人権」「情報・セキュリティ」など色々な分野があります。用途に合わせて選ぶ必要があります。
コンプライアンス研修の目的
- 業種内の法令の確認:PL法や労働基準法、個人情報保護法など様々なものがありますが、とくに業種で必要となる法律上のルールを確認します。知識不足や解釈の間違いによって違法状態になることを避ける目的があります。
- リスク回避:不適切な言動や軽率な行為が企業にダメージを与えることもあります。また、社内での問題行動も外部に知られることで信用失墜につながりかねません。企業の評判は採用にも影響してきます。
- 経営理念の浸透:経営理念は企業としてのミッションや社会的な役割を文章化したものです。どのような企業であるのかを明確にすることで、迷うような場面でも企業理念に照らした判断が可能となります。従業員全員がその企業の理念を理解することで組織力の向上が期待できます。
最近ではSNSでの炎上など、新たな脅威が企業のリスクとして注目されています。また、ブラック企業のレッテルを張られれば、採用にも大きな影響があるでしょう。一方で、リスク回避だけではなく、コンプライアンスによって経営理念を浸透させるというメリットがあるのも大きな要素です。
「うっかり」を防ぐ
社会人としてのルールを守り、企業理念を身に着けていたとしても「つい、うっかり」というミスはあり得ます。例えば、社内用の資料に著作権のある画像やイラストを使った場合はどうでしょうか。これ自体は即座に問題にはなりませんが、その資料が社外に出たり、SNSでアップロードされたりした場合は問題になる可能性があります。また、顧客のメールを誤って他の顧客に転送した場合も問題になる可能性があります。これらは配慮不足や操作ミスなどが原因で悪意は少ないかもしれませんが、企業にとってはダメージにつながります。
ほかにも、インサイダー取引という名称は聞いたことがあっても、どういったものかを知っている人は少ないのではないでしょうか。こちらもうっかり違反をしてしまう恐れがあります。
本人に悪意は少なくても、企業の信頼が失墜する恐れがありますのでルール作成とその徹底が必要になります。
どのようにコンプライアンス研修を行えばよいのか
基本的に外部講師によって行われます。社内にノウハウがないケースも多く、社内で行う場合は利害関係があって正確な講習が行えない恐れもあります。実際に話す内容はもちろん、話の進め方や関心の引き方など、プロならではのテクニックもあります。最近ではオンラインによる研修もあります。
コンプライアンス研修の対象となる項目の一例
- ハラスメント系
- 情報セキュリティ系
- 著作権
- 下請法
- 労働基準法
- インサイダー取引
- 安全配慮義務
社内でコンプライアンスを高めるための要点
- 社内ルールを整備する:暗黙の了解で済ませていることを改めてルールとして整備する。人によって言うことややる事が異なっている状況は職場の緊張感を緩ませ、「まあ、いいか」や「ルール違反ではないから大丈夫」とモラルが低下する原因につながります。
- マニュアル作成:ルールだけでなく、対応の仕方をマニュアルとして統一する。これによって、担当者によって対応が異なる状況を改善し、企業理念に基づいた行動を促すことができます。
- 早期対応の備え:仮にコンプライアンス違反があった場合でも、被害を最小限に抑えるためには早期の対応が必要となります。そのために通報者が守られる状態を確立させることで、しっかりと情報が上がってくるようになります。
- 事実確認:私情を挟まず、事実を確認することが重要になります。トラブルに対して「法的な問題」と「社内ルール」、「一般常識」をそれぞれ切り離して考え、状況を整理していく必要があります。
コンプライアンス研修の対象者
コンプライアンス研修は企業における新人研修とは異なり、どの役職でも当てはまります。経営層に対しては粉飾決算など、管理職についてはパワハラなど、スタッフにとっては不適切対応など、さまざまな階層でコンプライアンスは必要となります。アルバイトがいればアルバイトも対象です。
コンプライアンス研修サービス10選
1. 一般社団法人日本コンプライアンス推進協会
これまでに約450社のべ52,000人に企業内コンプライアンス研修を実施している実績があります。研修期間は内容によって半日から12日間までのコースがあります。学校の教職員向けに夏休み期間の3日間コースなどもあります。認定コンプライアンス資格講座も行っています。
- 特徴:多業種・規模に合わせたコンプライアンス研修を提供。コンサルタント養成や第三者認証制度もあり。
- おもなプログラム:コンプライアンス講座、個人情報保護講座、ヒヤリハット防止対策講座、メンタルヘルスケア講座、マイナンバー対策啓発研修、第三者認証CSマーク取得講座、管理職・リーダー向けスキルアップ研修(社会福祉・医療分野)
- メリット:時代の流れに沿った研修内容を提供。
- デメリット:特定の業界に特化した研修は少なめ。
- 公式サイト
2. 株式会社TEI
座学だけではなく、事例学習や体験型学習を組み合わせた参加型の教育方針をとっています。各企業のニーズに合わせて研修をカスタマイズして提供しています。コンプライアンス以外にも、ビジネススキルアップ、リーダーシップなど各種の研修を行っています。
- 特徴:様々なコンプライアンス研修あり。官公庁から企業まで豊富な研修実績。
- おもなプログラム:コンプライアンス研修(若手/中堅/管理職/役員)、リスクマネジメント研修、ハラスメント防止研修、ヒューマンエラー研修、メディア対応研修、飲食店向け衛生管理研修
- メリット:企業・組織のニーズに合わせたカスタマイズ研修。
- デメリット:全国展開しているが、地方によっては研修オプションが限られる場合あり。
- 公式サイト
3. 株式会社リスキル
具体的な管理方法やリスク発生後の被害を最小限に抑える対策など、通常の資料では学習が難しい部分も体系的なカリキュラムで説明してくれます。サイト上で研修を選んで人数と時間を入力するだけで即座に見積もりが可能。eラーニングでの研修も充実しています。
- 特徴:全研修がオンラインに対応。大手企業の研修実績も豊富。
- おもなプログラム:コンプライアンス研修、内部統制研修、不祥事を防ぐ社内風土づくり研修、下請法研修、ハラスメント&コンプライアンス研修、著作権理解研修、インサイダー取引規制研修、独占禁止法研修、個人情報保護研修、リスクマネジメント研修、社内コミュニケーション研修
- メリット:10秒で見積り即比較検討ができる手軽さ。
- デメリット:オンライン研修に不慣れな受講者には向かない可能性。
- 公式サイト
4. 株式会社インソース
年間17,000人がコンプライアンス研修を受講。リスクマネジメント個人情報保護などのほか、内部統制や法令順守など研修があります。コンプライアンス違反に危機意識を持たせ、退屈な講座にしないリアルなケースを紹介しています。コンプライアンス研修の内製化のためのコンサルティングも行っています。
- 特徴:年間2万回以上の研修を実施。北海道から九州まで全国に拠点あり。
- おもなプログラム:モラル&コンプライアンス研修(新入社員/若手・中堅)、事例から学ぶコンプライアンス研修、組織における不正防止(管理職)、組織のリスクを網羅的に学ぶ、個人情報・情報セキュリティ・SNS研修、インボイス制度、個人情報保護法、独占禁止法、下請法、著作権法、電子帳簿保存法、不正競争防止法、偽装請負防止、公文書管理法、カルテル防止
- メリット:研修後のフォロー・効果測定で定着率アップ。
- デメリット:大規模な研修に強いが、小規模なカスタマイズには柔軟性が低い場合も。
- 公式サイト
5. 株式会社バリューイノベーション
対象となる階層や課題、予算、時間などから各種の研修を選ぶことができます。コンプライアンス研修以外にも、マネジメントやビジネスコミュニケーションなど各種の研修が用意されています。社内講師の養成サービスもあります。また、講演者を紹介するサービスも設定されています。
- 特徴:中堅・中小企業向けに低予算で効果的な研修を提供。
- おもなプログラム:コンプライアンス研修。その他、コンプライアンス研修とは別枠でセクハラ・パワハラ、メンタルヘルスなど
- メリット:コンプライアンス研修28万円(税抜き)~とリーズナブル。
- デメリット:大企業向けの大規模な研修には対応が難しい場合あり。
- 公式サイト
6. SMBCコンサルティング株式会社
法令順守だけではなく、企業価値を高める取り組みとしてコンプライアンス研修を実施しています。内容はカスタマイズが可能。特定の日時と会場で行われる特別開催セミナーや、各種の講座が受けられる定額制WEBセミナーなどもあります。
- 特徴:課題やニーズに合わせたオーダーメイド研修が可能。
- おもなプログラム:ハラスメント研修、コンプライアンス研修、リスクマネジメント研修、個人情報保護法の基礎研修、下請法の基礎研修、契約書の基礎研修、役員・幹部に必要な法律知識
- メリット:階層別・分野別の幅広いテーマのプログラム。
- デメリット:費用が高めに設定されている場合がある。
- 公式サイト
7. 株式会社ガイアシステム
企業コンサルティングの会社として30年以上の実績があります。受講者同士や講師と対話、グループワーク、ロールプレイングなどによる参加型で学ぶ研修を重視。カスタマイズも可能です。
- 特徴:企業研修・コンサルティングを提供して30年以上。
- おもなプログラム:ハラスメント防止など
- メリット:経験豊富なコンサルタントによる丁寧なサポート。
- デメリット:特定の分野に特化した研修は少ない。
- 公式サイト
8. 株式会社ライトワークス
Eラーニングに特化した研修を提供しています。自社独自の要素を加えたeラーニング教材を作ることも可能です。教材の提供、配信、受講者の登録まで一任できます。受講の進捗状況もシステムで簡単に把握できます。海外にある現地法人にも日本と同様の教育展開が可能となっています。
- 特徴:企業のニーズに応じたeラーニング教材を制作。
- おもなプログラム:反社会的勢力対策コース、PL法知識取得コース、収賄防止関連法知識取得コース、特許法知識取得コース、意匠法知識取得コース、商標法知識取得コース、著作権法知識取得コース、下請法知識取得コース、個人情報保護法取得コース、労働法知識取得コース、インサイダー取引規制対策コース、内部統制対策コース
- メリット:オリジナル教材を1本7万円~製作可能。
- デメリット:教材制作には時間がかかる場合あり。
- 公式サイト
9. 株式会社セゾンパーソナルプラス
1993年から研修業務をしているJBMコンサルタントが2023年から社名変更。講義形式以外にも、ロールプレイング演習やケーススタディ、ディスカッションワークなどを取り入れることで「現場で再現できる」状態を目指します。公開セミナーも開催しています。
- 特徴:企業のニーズ・組織に合った人材育成サービスを提供。
- おもなプログラム:ハラスメント防止研修、いかりのコントロール研修、セクハラ・マタハラ研修、セクハラ・パワハラ研修、メンタルヘルス研修
- メリット:実践につながりやすいオリジナルコンテンツを提供。
- デメリット:独自の研修方法には慣れが必要。
- 公式サイト
10. ワイエムコンサルティング株式会社
少人数と実践型にこだわった研修を提供。経験豊富な講師陣とその会社に合わせた研修内容で、利用した9割の企業がリピーターになるという充実の内容となっています。土日祝日の研修にも対応。公開セミナーも開催。
- 特徴:年間受講者4,000人以上。コンプライアンス研修は弁護士も選択可。
- おもなプログラム:コンプライアンス研修、ハラスメント研修
- メリット:企業の要望を最大限に取り入れたプログラムを提供。
- デメリット:専門的な法律知識が必要な研修には限界がある場合も。
- 公式サイト
選び方のポイント
- 企業のニーズと研修内容のマッチング:自社のコンプライアンスに関する課題や目的に合った研修内容を提供しているか。
- 予算とコストパフォーマンス:研修の質と費用のバランスを考慮する。
- フォローアップの有無:研修後のフォローアップや効果測定が充実しているか。
コンプライアンス研修の代行会社を選ぶ際は、上記のポイントを参考に、自社に最適なサービスを見つけてください。