
「買わないで」と言うと売れる?「カリギュラ効果」の活用法
ビジョナリー編集部 2025/04/01
4/5(土)
2025年
ビジョナリー編集部 2025/04/01
あなたの周りにはこのような人がいないでしょうか?
「身体に悪いとわかっているが、タバコをやめられない」
「老後のことを考えなければならないが、浪費してしまう」
人間は、必ずしも合理的な判断ばかりをする生き物ではありません。 「行動経済学」は、経済学に心理学の考え方を取り入れた学問であり、人が非合理的な選択をするメカニズムを明らかにしようと研究がなされています。 行動経済学を知ることで、営業やマーケティングにおいて効果的な手法を学ぶことができます。具体的に見ていきましょう。
行動経済学は、経済学に心理学的なアプローチを取り入れた学問であり、従来の経済学が前提としてきた「人間は合理的である」という考え方を見直すところから始まっています。
人々が非合理的な行動をとる理由を解明し、現実の経済活動により適した分析を行うことを目的としている学問で、現在注目を集めています。
従来の経済学では、人々は常に合理的な意思決定を行い、自らの利益を最大化しようとするとされてきました。
しかし、実際にはセールでつい不要なものを買ってしまったり、健康によくないと知りつつもスイーツに手を伸ばしたりすることがあります。行動経済学は、このような非合理的な行動に注目し、心理学の知見を活用して分析を行います。
行動経済学はマーケティングの分野で特に注目されています。現代のマーケットでは、単に価格が安いだけでは商品は売れません。消費者の心理を理解し、購買行動を誘導するための手法として、行動経済学の理論が活用されています。
行動経済学を活用することで、消費者の購入意欲を高めることが可能です。
例えば
「限定販売」
「先着〇名限り」
といったキャッチコピーは、消費者に
「今買わないと損をする!」
という心理を呼び起こし、購買を促します。
ここでは、行動経済学において有名ないくつかの理論を見ていきましょう。 いずれもマーケティングに活用できる考え方となります。
プロスペクト理論とは、人は利益を得ることよりも、損をすることを極端に嫌う、という心理を利用したものです。
例えば、
「期間限定割引」
「ポイント失効日が近づいています」
といったお知らせを受け取ると、消費者は「損をしたくない」と焦り、購入しやすくなります。
サンクコスト効果とは、「既に投資した時間やお金を無駄にしたくない」という心理により非合理的な行動を取るというものです。
例えば、以下のような現象は、サンクコスト効果によるものです。
ハロー効果とは、何かを評価するときに、見た目や目立つ特徴などに影響されて、全体を誤って評価してしまう心理現象です。
例えば、著名な人を広告に起用することで、商品自体も良いという印象を与えることができます。
また、製品のパッケージを高級感のあるデザインにすると、製品そのものの品質が高いと感じてもらえ、購入促進に繋がったりします。
フレーミング効果とは、同じ情報でも表現方法によって人々の意思決定が変わる現象です。
例えば、「コップの水が半分ある」と「半分しかない」とでは、受け取る印象が異なります。
マーケティングでは、商品の魅力を強調するためにこの効果を活用することができます。
例えば、サプリメントを「1ヶ月分で1,000円」と伝えるのではなく、
「1日あたり約33円!」
と表記すると、より安いと感じてもらえる効果があります。
アンカリング効果は、最初に提示された情報がその後の意思決定に大きな影響を与えるという心理現象です。
例えば
「通常価格1万円ですが、今なら5,000円です」
といった表示は、消費者にお得感を抱かせ購入意欲を高めます。
現在志向バイアスとは、将来の利益よりも目の前の小さな利益を優先する傾向を指します。
例えば、「今すぐもらえる10万円」と「1年後にもらえる15万円」なら、多くの人が前者を選びます。
マーケティングにおいては
「購入後、すぐに効果を実感できる!」 「先着10名様限定」
といったキャッチコピーで、短期的利益を強調するといった手法が見られます。
認知的不協和とは、人の考えと行動が矛盾する場合に、その矛盾を解消しようとする現象です。
ダイエット中なのにスイーツを食べる時、
「ストレスをためるより食べた方が良い」
と考えることで、自身の行動を正当化するというものです。
例えば、「甘いのに低カロリー」といった矛盾を含むキャッチコピーを出すことで、消費者に購入した罪悪感を和らげる効果を与えます。
行動経済学を理解することで、顧客の購買動機を的確に捉え、マーケティング戦略を効果的に設計することが可能になります。
例えば、アンカリング効果を活用して、同僚に業務を手伝ってもらう際に効果的な依頼ができるようになります。
行動経済学を活用することで、自分自身の行動をコントロールし、目標達成に向けた具体的なステップを踏むことができます。
行動経済学の理論も万能ではありません。適用する際には、柔軟な視点でPDCAサイクルを回し、改善を続けることが重要です。
誇大広告や二重価格表示など、法に反することがないように注意が必要です。マーケティング戦略を考える際に、法的リスクを念頭に置きましょう。
一時的な効果に頼るのではなく、長期的な信頼関係を構築することが重要です。商品そのものの価値を高め、消費者に理解してもらうことが最も効果的です。
行動経済学は、消費者の非合理的な行動を理解し、ビジネスにおけるマーケティングやマネジメントに応用するための強力なツールです。しかし、理論を過信せず、柔軟に活用することが成功の鍵となります。行動経済学を駆使して、消費者の心をつかむ戦略を立て、ビジネスの成果を最大化しましょう。