
「空港を最終目的地に」HANEDAから創る日本の未来
ビジョナリー編集部 2025/04/01
近年、日本のコンサルティング業界は著しい成長を遂げている。2023年時点の市場規模は約3兆円*に達すると推計されており、今後も成長が続くと見込まれている。成長の背景には、デジタル化の進展、企業の事業転換ニーズの増加、そしてグローバル競争への対応が挙げられる。
*出典:PRTIMES(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000028.000077691.html)
こうした業界全体の盛り上がりの中、一般的なコンサルティング企業とは異なるアプローチで注目されているのが、羽田空港を拠点に活動する 『羽田未来総合研究所(HFRI)』 である。 「空港」という特異なインフラを活用し、地方創生、観光、アート、情報戦略…など多岐にわたる領域で様々な新規事業を展開し、自治体や企業のコンサルティングを行っているのだという。
そんな新たな価値を創出し、空港のポテンシャルを最大化するHFRIの挑戦に、ビジョナリー編集部が迫る。
羽田空港から日本を創る
羽田未来総合研究所(HFRI)は2018年に設立された、日本空港ビルデング株式会社のグループ企業である。
同社の掲げるミッションは
「HANEDAを通じて、日本の未来を創る」。
国内外、年間8000万人以上の多様な人々が往来する、羽田空港という世界有数の国際交通拠点を活かし、地域経済とグローバル市場をつなぐ、様々な事業を展開しているという。
その事業分野は主に5つ。
①地方創生
②観光事業開発
③コンサルティング
④アート&カルチャー
⑤情報戦略
空港で「地方創生」?
まず目を惹くのが、『地方創生』事業である。
東京に一拠点を構える羽田空港が、『地方創生』とはどういうことなのだろうか。
実は、HFRIの初代にして現代表取締役社長は、三越伊勢丹ホールディングスの前社長である大西 洋(おおにし ひろし)氏が務めている。
大西氏は、百貨店の経営をしていた時から、地方創生に着目していたというのだ…
三越伊勢丹ホールディングスといえば、国内20店舗を構える百貨店業界の最大手企業。 「現場に出てゆく社長」として当時有名であった大西氏は、地方の店舗にも頻繁に赴いており、その中で気がついたことがある。
ー日本の地方には、まだ知られていない多くの宝が眠っているー
各地方に根付く独自の食やアート、文化財、ものづくり技術。 様々な分野における地方の魅力に焦点をあてることで、日本という国の魅力を、世界へ発信してゆきたい。そうすることで、日本の可能性を最大限に引き出し、日本を豊かにすることに繋がると考えたのである。
具体的には、どのような事業を行っているのか。その委細は次回記事にて綴ってゆく。
空港を「機能」で終わらせない
地方創生の他にも、アート&カルチャー、コンサルティング…と、空港とはにわかには結びつかない多くの事業を手掛けるHFRI。
一つひとつに秘められた意図や驚くべき取り組みについては、これからじっくりと取材をしてゆくが、そこには共通するキーワードがある。
「空港だから、できること」。
空港とは、あくまで飛行機を運ぶという「機能」と認識されており、それが実態でもあると大西氏は言う。
しかし同氏は、空港を単なる飛行機を利用するためのターミナルではなく、空港自体を目指して人が集まるような空間にしてゆきたい、との思想を掲げている。
空港を目指して人が集まるとは、どういうことなのか。
日本一の百貨店で、数多くの改革と挑戦を手掛けた同氏が挑む、世界で唯一の新しい空港のカタチ。
次回以降、その真相に迫ってゆく。