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2025

    減り続ける国産わさび、生産量66%増を目指す老舗万城食品グループの挑戦

    減り続ける国産わさび、生産量66%増を目指す老舗万城食品グループの挑戦

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    減少し続ける国産わさび

    日本人の家庭の冷蔵庫に必ずと言って良いほど常備されている調味料・わさび。刺身や寿司はもちろん、料理にアクセントをもたらしてくれる日本の食文化には欠かせない存在だ。

    そんなわさびだが、近年、日本国内の生産量が減少傾向にある。令和4年のわさびの国内生産量は1,635トンで、前年比13.3%減。減少の背景には、農業従事者の少子高齢化や労働力不足、後継者不在による技術伝承の断絶が言われている。さらには、天候不順や災害による被害拡大などさまざまな要因が絡み合っている。

    国内栽培の事業化がわさびを救う

    こうした状況に危機感を抱き、わさび栽培の事業化に挑戦している企業がある。創業72年を迎え、わさびをはじめ蒲焼のたれやドレッシングといった総合香辛調味料を手がける老舗、万城食品グループだ。 「生おろしワサビ」や「おろし本わさび」など、本格的味わいのチューブタイプのわさびを製造し、近年の高級志向を受けて売上拡大しているわさびの老舗メーカー。

    同社が、2015年に「農業事業課」を立ち上げ、本わさびの自社栽培に本格的に取り組み始めた。自社で栽培することで、安定した国産原材料の確保と栽培技術の継承を目指しているという。

    2024年には静岡県内で元々いちご農園だった土地を借り受け、新たなわさび畑として整備した。新しい土地での栽培は不確実な要素が多数あったが、現在は順調に育ち、今年5月頃には収穫を迎える見込みだという。新たな土地での栽培開始もあり、今年の収穫量は前年比66%増の約5トンに達すると予測されている。

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    万城食品グループにとって、2024年は本わさびの自社栽培を開始して10年の節目の年だ。同社は今後さらに栽培面積の拡大や品種改良に力を入れていく方針だという。

    また、わさび栽培の事業化にあたっては、地域の雇用創出や土地の有効活用など、地域貢献にも積極的に取り組んでいく考えを示している。

    万城食品グループは、日本古来のスパイスであるわさびを次世代に引き継ぐため、業界が直面する課題と真摯に向き合いながら、新たな挑戦を続けている。

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    万城食品グループの取り組み

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